スーツにも衣替えがあることをご存じでしょうか?
実は毎日スーツを着る男性でも、季節感のあるスーツ選びについて知らない人が多いのです。
もちろん、1年を通して着用可能なスーツも沢山ありますが、お洒落な人は季節感のあるスーツ選びをして、季節に合わせてスーツの衣替えをしています。
まず、スーツにはどのような種類があるのでしょうか。季節ごとにその違いをご説明致します。
スーツの種類と違い
スーツは主に、春夏用スーツと、秋冬用スーツ、そして1年を通して着用可能なオールシーズンスーツの3種類あります。
オールシーズン用のスーツがあるなら、オールシーズン用を着用すればいいのでは?と思う方も多いと思いますが、日本は四季があるので真夏と真冬では気候が大きく違います。梅雨時期はとてもジメジメしていて、スーツの着用がとても不快な時期でもありますよね。
ここまでで、お分かりいただけたかもしれませんが、オールシーズン対応であっても、真夏も真冬も同じスーツを着用するということは、極端に言うと夏は暑くて冬は寒いということになります。
また、長く着用するとスーツのダメージも大きくなります。
やはり、季節に合ったスーツを着用する方が快適に過ごせる上に、より長く綺麗にスーツを着用できることにも繋がります。
では、具体的に春夏用スーツと秋冬スーツではどのような違いがあるのでしょうか。
まずは生地の違いがあります。
生地の違い ー春夏用スーツー
ビジネススーツの素材で一般的なのはサマーウールと言われるウールです。
ウール??ウール(羊毛)は冬じゃないの?と思う方も多いと思いますが、サマーウールは冬のウールと比較すると、生地が薄く羊毛を細く撚って織られているために、とても軽くて通気性がよいのが特徴です。
ウール以外ですと、リネン(麻)などもありますが、リネンはカジュアルなイメージがあり、シワになりやすい素材ですのでビジネスシーンにはサマーウールのスーツの方が扱いやすいでしょう。
生地の違い ー秋冬用スーツー
秋冬スーツの素材はウール(羊毛)が主流です。
量販店のスーツには、ポリエステルなどの化学繊維が含まれています。化学繊維が含まれているとストレッチ性があり強度が高いことなどのメリットもありますが、こすれやすい部分にテカリが出ることがあり、クリーニングによって機能性が失われてしまうこともあります。
一概には言えませんが、上質なスーツはウール100%で仕立てられたものが多いです。
秋冬用のスーツの素材としては、フランネルやツイードがあります。フランネルとは、ウールを起毛加工し柔らかくて暖かい織物を指します。ツイードは、起毛させずに紡毛糸を使って平織りや綾織りにした荒くザックリとした織物です。ハリスツイードが有名ですね。
フランネル(上の写真)
ハリスツイード(上の写真)
春夏用スーツと秋冬用スーツでは、生地の他に裏地の違いもあります。
裏地の違い
本来、裏地の役割は湿気や汚れから表地を守ることや、動く際の摩擦を軽減し滑りを良くすること、保温効果や透け防止なので、裏地は「総裏」の仕様が基本です。
しかし、日本は四季による気候の変化が大きく湿度も高いため、夏には涼しげな背抜き仕様、冬は総裏と認識されるようになりました。
※総裏仕様とは、下の写真のように裏地が内側全面に付いている事です。
画像出典:https://www.nakagawa1948.co.jp/i/gucarl037-2mwg20-b30
一方、背抜き仕様とは下の写真のように背中の部分だけ省いた裏地の事です。
画像出典:https://www.rakuten.ne.jp/gold/mitsuya/
裏地に関しては、春夏は背抜き仕様、秋冬は総裏仕様と正式に決まっているわけではないので、ご注意くださいね。
季節による色使いの違い
素材や裏地の違いの他に、色で季節感を演出することもできます。
春夏は明るめなグレーやネイビーなどの明度の高いスーツを選ぶと、見た目も涼しげで明るく爽快なイメージに。また、秋冬は少しダークなカラーを選び、ネクタイをカシミヤ素材などでさらに季節感を出すと温かみのある冬のコーディネートになりますね。
上の写真はフランネルのスーツ。
こちらは、秋冬のコーディネート。深い色味がとても味があってクラシックな印象です。
ライトグレーのスーツに鮮やかなネクタイで、華やかで爽やかな印象ですね。
相手に与える印象の違い
季節感のあるスーツ選びとコーディネートすることで、着心地や季節ごとの快適さはもちろんのこと、相手に与える印象も変えることができます。
旬のスタイルを大切にしている人は、仕事においても有利な印象を与えます。見た目で印象や、結果すら変わってしまうこともあるビジネスマンだからこそ、季節にもきちんと対応したいものですね。
スーツの衣替え時期と保管方法
シーズンが終わったスーツは、いつ頃どのように保管すればよいでしょうか。
スーツの衣替え時期は一般的に春夏が3月~5月、秋冬が9月から11月です。
春は日によって気温が大きく変わるため、あまり一気に衣替えせずに徐々に移行していくのがオススメです。また、秋冬の衣替え時も朝晩は冷え込むものの、日中は暖かくて汗ばむ日も多くありますので、こちらも少しずつ準備していくと良いですね。
シーズンが終わったスーツは、まずクリーニングに出しましょう。目に見えなくても、毎日洗濯出来ないスーツには汗や皮脂の汚れが沢山付着しています。
そして、クリーニングに出し終えたスーツは、不織布のスーツ専用カバーを掛けます。スーツの不織布カバーはネットなどで簡単に購入可能ですよ。
衣類不織布カバー ロングサイズ5枚入り 1,491円(税込)
クリーニング店からスーツを引き取った時に、透明のビニールにかかっていますが、このビニールのまま保管すると、通気性が悪くなりカビや虫食いの原因になりますので、必ずビニールは外しましょう。
また、針金やプラスティックの細いハンガーは、スーツの型崩れの原因になりますので、
ハンガーは太めの物を用意してくださいね。
私のオススメはこちらのハンガーです。
Mainetti スーツ用ハンガー10本セット 8,999円(税込)
Mainetti(マイネッティ)というハンガーブランドの商品です。ポリエステルの樹脂で作られていて、軽くて丈夫です。ウッディな見た目は高級感と重厚感がありとても素敵なハンガー。
マイネッティは人体科学などの観点から型を設計していて、衣類に負担を掛けない理想のハンガーを生み出しました。
このハンガーには、パンツを掛ける部分に滑り止めが付いていて、パンツがハンガーからズレ落ちるストレスからも解放されますよ。
下の写真は、実際の我が家の衣装部屋です。撮影のために不織布カバーは外してある状態ですが左側が秋冬用スーツ、右側が春夏用スーツと分けています。
長年、スーツとコートにはマイネッティのハンガーを愛用しています。
本来は、もう少し余裕を持ってラックに掛けたいのですが、どうしてもスペースが無くて結構ぎゅうぎゅうに掛けてしまっています。収納スペースが広いお家が羨ましいなぁ。
さいごに…
季節ごとにスーツの衣替えをすることで、スーツを休ませる期間を作ることができます。
清潔にして、綺麗に保管されたスーツは、次回の着用時にはまた美しい状態で袖を通すことができますよね。
細かなことですが、保管時も大切に扱うとスーツは長く美しく着用できます。
みなさまも、美しいスーツのために“スーツの衣替え”をおこなってみてくださいね。