高木渉 / Wataru Takaki
メンズ服のスペシャリスト、敏腕バイヤー服飾職人として修行したのち、有名テーラーの販売員として全国売上No.1の実績を持つ。その後スーパーバイザー・マーチャンダイザー・バイヤーをも努め上げる。現在は「現場での販売」という原点に戻るため独立し、経営者として活躍中。
ハナ / Hana
ファッションアドバイザー/元メンズブランド販売員有名テーラーでの販売員を経験。その経験を生かし、多くのブランドを徹底比較し、各商品の良さを発信している。トレンドや、女性から見た「男性のかっこよさ」も交えてお伝えしていきます。
ネットで「ネクタイ プレゼント」や「ネクタイ ランキング」と検索しましたか?
実はスーツ業界の中ではあまり支持されていないブランドもネットの記事を見ると人気の上位を占めていることも、、、
この現象、みんなが知っている有名ブランドをそれっぽくランキングにしているだけかと思います。
そこで今回は、今まで私が出会ってきたスーツ業界の一流たちが、本当にオススメするネクタイブランドを調査しました。
おしゃれなネクタイをプレゼントされたら、スーツを着るのが毎日楽しくなって、気分が上がりますよね。
プレゼントを贈ることで、相手に喜んでもらうのはもちろん、贈る相手にはプレゼントでおしゃれになって欲しいですよね。
皆様の大切な人へのプレゼントの参考になれば嬉しいです。
おしゃれの聖地|イタリアのハイブランド最高級ネクタイ
スーツの聖地と言えばイギリスですが、イタリアのネクタイも負けず劣らず根強いファンを抱えています。その人気の理由として1つ挙げられるのは “熟練した職人の技術” です。
イギリスから伝わったスーツスタイルを、イタリアの職人達の手によって独自の進化を遂げたイタリアンスーツ。ボディーラインをなぞるようなエレガントなシルエットが特徴ですが、ナポリやフィレンツェ、ローマ、ミラノなど地域ごとにスーツカルチャーが存在しており、奥が深いのも魅力。
そんなイタリアスーツ業界でも、常にシーンの最前線を牽引し、各著名人から絶賛されるブランドをご紹介します。
Atto Vannucci (アットヴァンヌッチ)
通常の倍近い生地を贅沢に使用し、織り込まれた生地が芯地の代わりとなるため、芯地無しで作られています。
アイロンを使用せずに作られるふんわりとしたスカーフのような独自の風合いは、クラッシックでありながら、モダンな雰囲気もあります。
画像と文字だけでお伝えするのはとても歯がゆいのですが、手に取って見ればその違いはすぐにお分かり頂けるはずです。初めてアットヴァンヌッチのネクタイを手に取ったときは、まず“ネクタイ”という自分の中での固定概念が崩れました。柔らかくて、まさしくスカーフのようです。しかし、締めてみるときちっとした表情もあるのです。
最高級の素材を使用し熟練した職人にしかなせない伝統的な技が、アットヴァンヌッチのネクタイが何年にも渡り愛されている理由でしょう。
間違いなく喜ばれる、最高のネクタイのプレゼントになると思います。
【Atto Vannucci アットヴァンヌッチ)】
セブンフォールド社が2011年7月に伝統的なネクタイ製造を実現するために、イタリアの高級テーラーTIE YOUR TIEのライセンスを取得し設立。この工房から生み出されるネクタイがAtto Vannucci(アットヴァンヌッチ)。最高級生地を使用し、全て手縫いで手間をかけ温かみのある丁寧な作りに定評がある。
E.MARINELLA NAPOLI (マリネッラ ナポリ)
イタリアで始まったブランドですが、マリネッラ ナポリはナポリとブリティッシュテイストが融合した、いいとこ取りのブランドなのです。
マリネッラ ナポリもアットヴァンヌッチと同じ製法方法を採用しており、その仕上がりはふんわりと柔らかで、心地よい締め心地のネクタイです。
ナポリらしい軽やかな優美さと英国的なエレガンスを併せもつセッテピエゲは、今日Made in Italyを象徴する逸品と謳われ、ナポリの“小さな宝石箱”と称されるほどの人気を獲得しました。
マリネッラの定番モデルのひとつ、レギュラー仕様の小紋タイ。E.MARINELLA(マリネッラ)の小紋タイは1柄につき数本しか作成されない為、1点物が多く他の方と被らないことが特徴です。
マリネッラ=セッテピエゲというイメージが強いですが、こちらのネクタイはマリネッラのレギュラータイシリーズです。(セッテピエゲではない)
このレギュラータイは、表地を裏地にも贅沢に使用しており、滑らかで極上の締め心地、柔らかな生地の質感など、マリネッラが持つ本質や良さに変わりはありません。
【E.Marinella Napoli(マリネッラ ナポリ)】
イタリア・ナポリで始まったブランド。
創業者のエウジェニオ・マリネッラ氏は英国ロンドンへ視察に行き、ロンドンの紳士用品を輸入したり、パリの優れたシャツの仕立て職人を呼び寄せ自社工場の職人へ技術を指導させたりと、他の国の技術などを取り入れ、技術の向上とより良い製品作りをして、スタイルの確立をした。
FRANCO BASSI(フランコ バッシ)
フランコ バッシのこだわりは製法だけでなく生地作りにもあります。シルクのジャガード織りはコンピューター式高速織機ではなく、旧式の低速織機を使うことで丁寧にぎゅっとしっかり織られた生地を作っています。
この生地の美しい発色はさすが、フランコ バッシです!とても深く色気のある柄で、プレゼントしたくなる一品です。
【FRANCO BASSI (フランコ バッシ)】
1973年にイタリアのコモで、フランコ・バッシ氏が設立したブランド。
イタリアのコモはシルクの生産地として世界的にも有名な場所。3名の職人でスタートしており、現在も少人数の経営を基盤としている。縫製は全てコモで行っており、手裁断と手縫製によるハンドメイドを基本に品質の高さが一番の強み。この品質の高さとこだわりのある素材が認められ、現在では世界的に有名になった。
STEFANO BIGI (ステファノ・ビジ)
ステファノ・ビジも熟練した職人によるハンドメイドで高品質なネクタイを作っています。
こちらのブランドの人気は、その生産体制にもあります。
ハンドメイドのネクタイメーカーでは出来高制で働いていることが多く、職人でありながらも仕上がりに個人の差が出てきてしまいます。出来高ですので、1本でも多くのネクタイを縫おうと思うのが普通ですよね。
しかし、ステファノ・ビジは給料制にすることで厳しい生産ノルマを課すこと無く、商品の品質とお客様への信頼を得ました。これは、創業以来から変わることなく続いています。
商品はもちろん、働く人やお客様への考え方がとても素晴らしく、自信を持ってオススメできるブランドであり、プレゼントです。
ストライプのネクタイは学生のようになりがちですが、ステファノビジのネクタイはこんなにも上品で滑らかな大人の表情があります。
女性からはもちろん、男性からのプレゼントにもオススメです。
【STEFANO BIGI(ステファノ・ビジ)】
1983年にミラノでネクタイ製造会社として設立。このSTEFANO BIGI(ステファノ・ビジ)というブランド名はアジア圏でのブランド名で、世界的にはBigi CRAVATTE-MILANO(ビジ クラヴァッテ ミラノ)というブランド名。
スーツの聖地|イギリスのハイブランド最高級ネクタイ
スーツの聖地といわれるのは、イギリスのサヴィル・ロウ。(ロンドンの中心部にある通りの名前)ここを無くしてスーツは語れません。
Seawerd & Stearn(シーワード&スターン)
セブンフォードと呼ばれる伝統的手法を取り入れ、イギリス国内の最高級素材のみを使用しています。素材から、ネクタイ作り全ての工程が国内で完結する、自国愛とこだわりを感じるブランドです。
シーワード&スターンの一番の特徴とも言えるのが、少し大きめのパターンと鮮やかなカラー。これはすべてがオリジナルデザインです。上の様な配色だと、日本人でも合わせやすくプレゼントにも最適です。
【Seawerd & Stearn (シーワード&スターン)】
マーク・スターンとゲイリー・シーワードの2人が2003年にイギリスで立ち上げたネックウェアブランド。
他の有名ブランドと比べると比較的に歴史は浅いですが、創業者のマーク・スターンは3代続く高級紳士服製造の家系に生まれ、若い頃から手伝っていた。また、ゲイリー・シーワードは英国で最も歴史があるネクタイメーカー、ジョンコンフォートで働き、その後もさまざまなブランドで働いた経歴がある。
Holliday & Brown (ホリデー&ブラウン)
ホリデー&ブラウンは、英国らしい大柄で奇抜且つ繊細な色使いのプリントデザインが特徴です。
とても綺麗な発色のネクタイです。日本のネクタイではあまり見ない無い、繊細な色使いがとても上品です。柄のデザインが洗練されており、目を引くネクタイ。
派手になりすぎないけれど存在感があるネクタイは、プレゼントしたいしされたいですね。
【Holliday & Brown (ホリデー&ブラウン)】
1962年にオードリー・ブラウンと友人のホリデーとともに作ったブランド。
生地のデザインを専門に手掛けており、自社工房で仕上げたあと、製造業に卸していたが、自分の顧客が望んでいる物は「自社の高品質なシルクに合った職人手作りのネクタイだ」と思い、手作りのネクタイ作りが始まった。
確かなものづくり|日本国産ネクタイ
ものづくりというと日本を忘れてはいけませんね。世界からも様々な分野で注目されている“Made in Japan”。日本人が作り出す丁寧なものづくりは、確かなものとして認識されています。
海外にも引けを取らない、プレゼントしたくなる日本のネクタイブランドをご紹介!!
azabu tailor 麻布テーラー
麻布テーラーのネクタイの種類はとても豊富です。中でもクリエイティブディレクターが世界的に有名なシルクの生産地イタリア北西部コモへいき、現地で見つけたビンテージ生地を日本国内工場で生産したネクタイのコレクションが私の一番のオススメです。
イタリアのビンテージ生地と、日本の技術が合わさった優秀なネクタイです。9,350円という値段設定もあらゆるプレゼントに最適な値段と言えるでしょう。
右の写真のネクタイは、麻布テーラーがオーダースーツと同様にオーダー感覚でコーディネートできるように開発されたネクタイです。
高密度な生地を使用しており、生産には通常の倍以上の時間がかかります。時間を掛けることで、生地の傷や歪みを防ぎ、柄を綺麗に織り上げることができるそうです。また、サテンの生地は傷付き、毛羽立ちやすく、ダメージが目立ちやすいデメリットがありますが、麻布テーラーでは、通常の横糸よりも撚りが強いものを使用しており、傷や毛羽立ちにくくなっています。
技術と細かな発想が実に日本ならではです。こちらも4,950円と気軽にプレゼントできる価格帯で嬉しいですね。
【azabu tailor (麻布テーラー)】
多くの男性雑誌に掲載されている、オーダーメイドスーツのブランド。
全国に20店舗以上展開しており、スーツの他にもネクタイやネクタイピン、カフスボタン等のスーツアクセサリーも豊富に取りそろえている。店舗数が多いのですが、他ブランドのセレクト品を扱っている店舗や、カジュアル服や既製服を扱う店舗などそれぞれに特徴がある。
MAKER`S SHIRT KAMAKURA (メーカーズシャツ鎌倉)
1993年に鎌倉で創業しました。創業以来「世界で活躍するビジネスパーソンをシャツで応援する」をモットーに世界に唯一無地の最高のシャツ作りを行ってきたそうです。
シャツとネクタイから始まったものづくりは、お客様のご要望に応え、パンツやジャケット、ニット、セーター、服飾雑貨へと広がりました。
「鎌倉シャツ」という呼び名はほとんどの方が聞いたことがあるのではないでしょうか。
実は、メーカーズシャツ鎌倉のネクタイは一針一針手縫いで仕上げるハンドメイドなのです。そして、そのこだわりは生地にも。濃淡の異なる6本の糸を撚ることでなんとも言えない独特な色の深みを表現しています。これこそ、職人技です。
また、ハンドメイドで作られたネクタイが5,500円から買えるのです。これはほんとに驚きです。
生地から縫製まで全てのクオリティーが高いのに、この価格で購入出来るブランドはまずないでしょう。
品質の良さ、デザイン、価格、その全てが揃っているメーカーズシャツ鎌倉のネクタイをプレゼントしない理由はありませんね。豊富な種類から選ぶのが楽しみです。
さいごに…
今回は、私が今まで出会ってきた洋服の職人や、デザイナー、オーダーメイドのスーツの販売員、ネクタイのバイヤー…、ネクタイに関わる様々な職種の方がオススメしているハイブランドネクタイをいくつかご紹介致しました。
あなたが気になるブランドはいくつありましたか。
大切な人へのプレゼントを選ぶ時、ブランド名だけに流されず、そのブランドの持っている信念や歴史などを踏まえて選んでみても良いかもしれません。
大切な人へ、素敵なネクタイをプレゼントできますように。